EldenRingの個人的感想

まえがき

 個人の感想です。ネガティブな部分の方が書きやすいですが、個人的に凄く楽しんでいるので貶めたいという意図はありません。考察ではないのでつらつらと駄文を書き連ねたい。

DLC

 楽しかった。(小学生の感想)

・ストーリー
 考察系のブログなので最初は物語に焦点を当てようと思う。

 ミケラ
 まずミケラという存在の描き方はとても良かった。永遠に幼いという評価の実体が外見的肉体的な幼さだけでなく、精神的に無垢であることをあれほど描かれるとは思っていなかった。強大な力を持った(精神的な)幼子というものは かくも恐ろしいものだろう。アンスバッハが無垢の無知に言及しており、良い解説役となってくれた。
 個人の偏見だが、幼子というものは約束に固執するものであるし善悪というものが定まっていない。善悪を定めるのは社会規範や宗教、倫理の役割であるから、幼子にとっての善悪は家族という小さな価値観の中に留まる。魅了という他者を支配する力への葛藤すら無いだろう。

 針の騎士レダ
 レダは有害な働き者という印象だった。魅了が壊れた直後に粛清の対象を決めようとしたり、不穏分子を自分で決定して積極的に排除しようとする。組織にいたらまっさきに首を斬らないと組織そのものが潰れるような人材… 動機が「ミケラの為」で手段が「粛清」しかないという不器用なキャラクターである。ミケラから直接祝福を受けている事も相まって、魅了が壊れてもミケラへの信奉は続いている。ある意味でミケラの描く優しい世界を体現しているようにさえ感じるが、考えすぎだろうか。発売前に素顔が晒され好印象を与えてからの落差で風邪をひきそうだった。

 アンスバッハ
 もはや云う事は無い。イケオジ。日本語CV清川 元夢(妄想)
 血の王朝から影の地に訪れたプレイヤーを待つ血盟騎士のひとり。物語の導入から真相の究明、ラダーンを倒す動機まで丁寧にプレイヤーを導いてくれる。顔も武器も言動もイケメンの枯れたオジサン。フロムの爺さんにしては弱い。

 ストーリーというよりはキャラの印象という形にはなったが、そもそもメインのお話が難解なので許してほしい。ミケラやレダに対する私の感想は、キャラを推す人から見ればネガティブなものに見えるかもしれない。だが私は物語はキャラ個人ではなく役割で見てしまうので、敵役がしっかり敵役をしてくれている事に好感を得るのだ。こいつは倒さないとヤバイと思わせられたのならば、それは物語に上手に乗れたという事。そういった意味ではメスメルは敵役として不適切でさえあった。角人への粛清を考えれば討たれて当然かもしれないが、褪せ人にとっては遠い過去の話であり、覇権勢力は少なからず敵対勢力に被害を与えている。まして角人を焼くマリカの動機も描かれている。メスメルを討つ理由はトゲの封印を解くためであり「ぼくの狂い火じゃダメかな?」と何度も思った。ダメだった。なんでやねん。

・フィールドMAP
 本編での問題点は広く平面的なMAPと寄り道にあたるダンジョンがほぼ全て行き止まりだった部分。DLCでかなり改善された。MAPは立体的に重なり、小規模ダンジョンや洞窟が新しい風景へと続くようになっている。程よい地図の目印が重層的な地形で目隠しをされている為、探索の楽しさは本編より数段改善されたろう。訪れた場所の景色は絵画的でどこも綺麗で探索の楽しさを教えてくれる。代わりに探索の報酬アイテムがしょっぱいのは…MAP構成とは別の問題だと思うのでここでは捨て置く。

・戦闘
 弾きが導入された。もともと回避から攻撃というシンプルな戦闘をしていたダクソから発展して、体幹を崩して敵の隙を作り出すというコンセプトにエルデンリングは変化した。防御の手段が増えた事で装備構成に広がりを見せた。
 ボス戦についてはマレニアで既に難しすぎると感じている私はDLCラスボスはほぼ無理ゲーだった。DLCが壮大な寄り道ではあるので、そのラスボスの難易度と考えればそれほど問題ないだろう。RPG的な攻略法は用意されているのだから。

・武器強化システムに対する愚痴
 DLCの鍛石のドロップ率を本編に反映して欲しかった。広大なフィールドを探索して手に入れた武器、それを強化しないと実戦投入できないという煩わしさは最も明確な不満点である。影樹の加護によって武器ではなく能力値を強化する方式が導入されたので、次回作に期待である。

・オープンフィールドに対する感想
 フロムで最も売れたタイトルとなったエルデンリングだが、オープンフィールドとの食い合わせは悪かったのではないかと思う。景色の見せ方など卓越した視線誘導が行われているので全てをネガティブに捉えているわけではない。その上で、構築された世界観を描き出すために地続きのフィールドを用意しなければいけないというのは制約が多かっただろう。これがデモンズ形式であれば、例えばフレーバーテキストにあった古の戦場跡のステージを攻略するのだ…というような導入で色々なMAPを自由に配置できたかもしれない。すべてを描くとむしろ世界を狭く感じてしまうのだから表現というのは難しい。

総評

 ダクソ3が完成度の高いアクションRPGだとすれば、エルデンは昔ながらの理不尽はRPGを体験できる実験作だと思っている。粗削りだが噛めばずっと味がするのだからコンセプトがしっかりしているのだろう。次回作がどのようなものになるか楽しみである。