フレーバーテキストの"嘘"

フレーバーテキストはゲームの世界観を伝える重要な情報である。しかし、一部のテキストには「嘘」が含まれている。これはフレーバーテキストが複数の視点で描かれている事を示している。

騎士アルトリウスの英雄譚

ゲーム本編でアルトリウスは「深淵歩き」の騎士としてテキストでのみ登場する

  • 本編中のテキストからわかるアルトリウス
    • グウィン王の四騎士である
    • 深淵の魔物と契約し、深淵を歩いたと言われる
    • ダークレイスの狩人である
    • シフが墓守をしている事から、故人であるとわかる
狼の指輪
グウィン王の四騎士に与えられた特別な指輪
狼の指輪は「深淵歩き」アルトリウスのもの

アルトリウスは、強靭な意志により決して怯まず
大剣を振るえば、まさに無双であったという
アルトリウスの契約
アルトリウスの契約
かつて騎士アルトリウスが
深淵の魔物と契約した証の指輪

アルトリウスと同じように
装備者は深淵を歩けるようになる
大狼シフのソウル
「深淵歩き」の騎士アルトリウスに仕え
彼の墓を守ってきた灰色の大狼シフのソウル

特別な存在は特別なソウルを有する
騎士の聖剣を継いだシフのソウルは
使用により莫大なソウルを獲得するか
他にない武器を生み出せる
直剣から作るアルトリウスの大剣
「深淵歩き」の騎士アルトリウスの墓守
灰色の大狼シフのソウルから生まれた大剣

かつてアルトリウスの交わした
深淵の魔物との契約により呪われており
亡霊にダメージを与えることができる
アルトリウスの大盾
「深淵歩き」の騎士アルトリウスの墓守
灰色の大狼シフのソウルから生まれた盾

安定した防御効果に加え加護の効果もあり
持ち主にあらゆる異常に耐える力を与える
折れ直からアルトリウスの大剣
「深淵歩き」の騎士アルトリウスの墓守
灰色の大狼シフのソウルから生まれた大剣

アルトリウスはダークレイスの狩人であり
その剣もまた闇の眷属に大きな威力を発揮する

DLCで描かれる騎士アルトリウス

アルトリウスはボスとして登場するが、その姿は語られる英雄とは違う。ウーラシールで深淵に飲まれ、シフを深淵に残し、主人公に討たれるという最期を迎える。

アルヴィナとは古い付き合いだったようだ。友達は少ない

猫の制約指輪
誓約「森の狩猟者」を交わした者に与えられる指輪
白猫アルヴィナの召喚に応える

人語を喋るまるい白猫アルヴィナは
火の時代のはじまりからこの地にあり
騎士アルトリウスと大狼シフに出会った後
彼らの数少ない友になったという
素晴らしいチェスター曰く
貴様、騎士アルトリウスに会っているか?
元の時代の伝承にあった、深淵狩りの英雄さ
…まあ、会っていないのなら、それでいい
所詮つまらん話さ…
アルトリウスの兜
グウィン王の四騎士の一人
「深淵歩き」アルトリウスの兜

主の最期を示すように、深淵の闇に汚れ
誇り高い群青の房も乾かず濡れそぼっている
深淵の大剣
深淵に飲まれたグウィン王の騎士
アルトリウスのソウルから生まれた大剣

この剣は最後まで主と共にあり、故に闇に飲まれ
使用者の人間性によってその威力を増す
深淵の武器となり果てている
結界の大盾
深淵に飲まれたグウィン王の騎士
アルトリウスの用いた鋼の大盾

深く傷つき、深淵に侵されはじめた彼は
この盾を友たるシフを守る結界の糧とした
これにより盾は痛み、物理的に脆くなっているが
一方で魔法などには高い防御効果を持った
深淵に飲まれたグウィン王の騎士
アルトリウスのソウル

深淵を狩ったというアルトリウスの伝説は
しかし道半ばで終わっていた
あるいは堕ちた彼を討ち、誇りを救ったものが
実際の伝説の主、深淵を狩る者となるのだろうか

深淵の魔物とは

  1. カアス 
    • 深淵といえば世界蛇を連想する
      しかし、アルトリウスはダークレイスを狩る者である
      ダークレイスはカアスが唆した四人の公王の騎士でもある
      よって敵対するものと契約するとは考えにくい
  2. マヌス 
    • 深淵の主であるマヌスに見え、契約を果たしたという様子はない
      しかし、否定する根拠もない
  3. アルヴィナ
    • アルヴィナが深淵に関わるモノであるかは不明
      火の時代の興りから存在し、深淵で主人公を導く
      その特異性から、深淵の魔物であっても不思議はないと思える
  4. エリザベス
    • 深淵を歩いた主人公と会話をした人物
      魔物? いいえ、不思議なキノコです
  5. フラムト
    • グウィンの友であり世界蛇
      深淵とアルトリウスの両方に接点がある

アルトリウスの伝説と真実

アルトリウスの名前の由来となっているのはアーサー王である
同陣営にグウィネヴィアが居ること、 剣に纏わる複数の伝承がある事が根拠となる

ゲーム本編で主人公は「アルトリウスの英雄譚」を聞く
その後DLCで「アルトリウスの顛末」に立ち会う
作中に登場する複数の剣は彼の伝説であり、
物語が奇跡となるダークソウルの世界観をよく表したものである

アルトリウスの真実は道半ばで終わっている
深淵を歩いた英雄は別にいる
1. 主人公
2. シフ
3. アルヴィナ
4. 英雄のソウルの持ち主

深淵歩きの伝説はDS3の輪の都まで伝わっている
またDS3祭祀場は最初の火の炉に近くDS1のオマージュが散りばめられている
その鐘楼の下にある火防女の魂は「深淵から戻った」ものだという
※深淵から戻った火防女については更なる考察を要する

白木の弓
白皮の木で作られた短弓
光を操る魔術を帯びている

それは、深淵歩きの英雄譚でも知られる
深淵に飲まれた古い魔術の国の足跡である
穢れた火防女の魂
かつて深淵から戻ったという
ある火防女の魂

彼女は篝火を保ち、また一人の英雄に仕え
その暗い穴をすら癒し受け容れたという
故にその魂は穢れてしまった

そして火防女の魂は、また火防女に宿るものだ

考察

アルトリウスのフレーバーテキストは真実ではなく「伝説=嘘」を記している。伝説とは「深淵歩き」 DLCのテキストでは「深淵に飲まれた」と変わっているものが多い。これはフレーバーテキストが全て真実のみを書いているわけではない事を示している。しかしフレーバーテキストの"嘘"は、物語の彩る。

"嘘"があるならば、同様に"真実"も描かれているものだろう。

アルヴィナは語る

アルトリウスの伝承なんて、実際なんでもありゃあしない
…ただの御伽話だよ…