ベルカと各勢力の繋がり:ロンドール編

亡者の国ロンドールと黒教会
フリーデ、ユリア、リリアーネは黒教会の指導者である。 世界蛇の娘であり亡者の救い手として黒教会の創始者としても知られている。 ユリア殺害時に「カアス、貴方の遺志を…」と口にすることから世界蛇=カアスであるとわかる。
ダークハンドはカアスとの誓約で獲得できる邪教属性の武器であり、DS3ではロンドール独特の業で世界蛇の遺産となっている。

フリーデは黒教会を出奔しており、DS3DLCにてアリアンデル絵画世界に身を置いている。
ユリアは火の簒奪を目的とし亡者の王となる灰の人を見定めている。
リリアーネはテキストのみに登場し”黒剣”には語り部とある。

黒教会とベルカの教戒師
ユリアの装束は喪装にも似た漆黒のドレスとされる”黒のドレス”
対して教戒師オズワルドの衣装もすべて黒で統一されている。
また、この黒の装束を身に着けるものは卓越した剣士であるともされ、それはベルカの刺剣(DS1)と黒の手甲(DS3)のテキストに明記されている。

贖罪と解呪
DS3で登場したベルカ像では解呪と贖罪ができる。
DS1では贖罪をベルカの教戒師オズワルド、解呪を癒し手の封印者インクァードが担っていた。
インクァードは一見してベルカと関りが無さそうだが、三日月のペンダントをしておりその仮面もクチバシのようである。 ベルカは罪人録の管理をしており、三日月は暗月のシンボル。クチバシのような仮面は”嘴の仮面”としてユリアが装備している。 DS1絵画世界にはベルカの鴉人なる者があり、鴉は火継ぎの使いでもある。 漆黒の鳥として鴉はベルカのシンボルと言える動物である。
インクァード曰く「解呪とは神の業」DS3でベルカ像が解呪を行う事から、その神とはベルカであることがわかる。

解呪石はDS3でロンドールの秘宝とされている。 DS1ではカリムのアルスター伯の秘宝とされているが、アルスターとベルカには因縁浅からぬ関係があるようだ。 これについては別記事を設けようと思う。

ロンドールに伝わる奇跡、武器 ・沈黙の禁則
DS1 ベルカが伝えた秘儀
DS3 ロンドールの点字聖典から学ぶ

・死者の活性
DS2 溜りの谷や石売りのクロアーナから入手
DS3 ロンドールの点字聖典から

・黒剣
DS3でのみ登場
DS3では神族に対して闇属性が有効である。これをDS1の邪教属性と見なすこともできる。

・闇朧
DS2 死をもたらした者の持ち物であった
DS3 ユリアが所持

・死者の指輪(暗い偽りの指輪)
DS2 ミルファニトから入手、不死廟の記載あり
DS3 ユリアから購入

・咬み指輪
DS1 カリムのアルスター伯の秘宝
DS3 フリーデから入手(望郷の品か?)

・贖罪
DS3 カリムの騎士、聖女巡礼の従者である呻きの騎士イーゴンの大楯の戦技「祈り」と同じ効果
DS3 ロンドールの追放者に贈る奇跡


まとめ
ベルカとロンドールの繋がり
ロンドールの黒教会はカアスの遺志を継いだ娘たちによって設立された。 その源流はカリムの女神信仰にあり、ベルカの教戒師に類似点が多くみられる。

ベルカ像が解呪と贖罪を行うことから、小ロンドの封印者との繋がりも見出せる。 また火継ぎの巡礼にも詳しく、聖女とは別にヨエルのような巡礼者を抱えている。


以下テキスト

ダークハンド(DS1)

武器種別:拳
攻撃属性:打撃

カアスに唆された、ダークレイスたちの業
闇のソウルにより人間性を奪う吸精の業をなし
また特殊な盾ともなる

偉大なる古の者ともなれば、人間性溢れる聖人とて
一度にすべてを奪い取ることができるだろう
ダークハンド(DS3)

亡者の国ロンドール独特の業
世界蛇の遺産であるともいわれている

おぞましい吸精を行い、特殊な盾ともなる
また両手持ちすることはできない

戦技は「吸精」
相手を抱き寄せ、HPを奪い取る
なお、吸精は人にしか行えない
ベルカの刺剣

武器種別:刺剣
攻撃属性:標準/刺突

罪の女神ベルカの教戒師が身に帯びる
象徴的な意味合いの強い刺剣

だが、それは単なる象徴に留まらず
魔力を帯びた刀身と、独特の剣技により
教戒師はまた卓越した剣士でもある
黒の手甲

ロンドールの黒教会、三人の指導者たちの装束
ドレスの内に隠された黒い手甲

それは、ドレスを纏う彼女たちが
また手練れの剣士であることを示している
たった三人で、黒教会を築き上げるほどの
ベルカの仮面

罪の女神ベルカの教戒師がつける仮面

罪人の懺悔を聞き、反省と救済を促す教戒師は
俗な市井と隔絶した存在であるはずで
仮面はその象徴である
嘴の仮面

ロンドールの黒教会、三人の指導者たちの装束
嘴の仮面は次女ユリアのもの

彼女たちは世界蛇の娘であり
黒教会の創始者としても知られている
すなわち亡者の救い手として
黒のドレス

ロンドールの黒教会、三人の指導者たちの装束
喪装にも似た漆黒のドレス

彼女たちは世界蛇の娘であり
黒教会の創始者としても知られている
すなわち亡者の救い手として
黒の聖職衣

罪の女神ベルカの教戒師がつける聖職衣

教戒師の衣装はすべて黒で統一されており
ベルカの神秘の力から
あらゆる魔法に耐性があると言われている
死者の活性(DS3)

ロンドール黒教会の冒涜的奇跡

死骸を祝福し、闇の爆弾と化す

亡者の国ロンドールでは、不死こそが人であり
死骸など、所詮相容れぬ生者たちのなれの果て
祝福を躊躇う必要がどこにあろうか?
死者の活性(DS2)

生命の抜け落ちた死骸に働きかけ
闇の炎で爆発させる闇術

生命を愚弄するこの術は闇術のなかでも
特に忌み嫌われる

触媒:杖
闇朧(DS2)

墓守アガドゥランの刀剣
透き通った透明の刀身を持ち
強攻撃では相手の盾を貫くことができる

この刀は、かつては「死をもたらした者」の
持ち物であったとされており、
実際には半ば“ずれた”場所に存在している

特殊効果:盾貫通(強攻撃時)
死者の指輪(DS2)

この指輪の装備者は亡者となっても
生者のままの外見を保つ

不死廟は、死んだ者に再会できる場所とされている
死から逃れられる者はいない
だが失われたものこそを、人は求め続けるものだ
暗い偽りの指輪

ロンドールの亡者たちが用いる
偽りの指輪のひとつ

亡者でない実体の外見となる

非力に老いさらばえ、欺瞞に満ち己を見せぬ
故にロンドールの亡者は忌み嫌われるのだ
贖罪

ロンドール黒教会が追放者に贈る奇跡

敵から狙われやすくなる

追放者はこれ以外の物語を知らず
またその物語が許しであると信じている
呪われた旅にも、いつか終わりがあるのだと
黒剣

ロンドール黒教会の奇跡
右手の武器を闇強化する

黒教会の創始者の一人、三女リリアーネは
亡者たちの苦難と、戦いの語り部であるという

Twitterまとめ【DARK SOULS】

概要 Twitterの投稿をまとめていく場所


ベルカとロンドールと深みの聖堂と小ロンドの封印者
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■ブログ記事:深みの聖堂と小ロンド
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カーリア王家と原輝石

概要

 カーリアは長い歴史を持つ王家であるにも関わらず、レナラとラニの2代しか継承されていない。 長命な種族であるのか、あるいは不老の要因が他にあるのか。 その謎について考えていく。

1.カーリア王家とは
2.原輝石
3.レナラが原輝石を有している根拠
4.ラニとセレンの類似性
5.ストーリー考察、ラニが自害した理由
6.レナラの指輪


1.カーリア王家とは

 カーリア王家の歴史とはレナラの歴史である。
 レナラの物語は星見の少女だった頃まで遡る。 星を追って旅した少女レナラは満月に出会い女王となった。 レナラは満月の力でレアルカリア学院を魅了し騎士を従えカーリアを王家とする。 レアルカリア学院の長となった後、黄金樹勢力との2度に渡る戦いを経て、赤髪のラダゴンと婚姻し和睦に至った。
 レナラはラダゴンとの間に3人の子供を設ける。ラダーン、ライカード、ラニである。 このうちのラニが次世代のカーリア王家女王となった。

 カーリアの王女に受け継がれるのは王家の鍵(指輪)と婚約の大剣の習わし。 歴代、王家、受け継がれる…といった言葉とは裏腹にカーリアは2代しか続いていない。 たった2代の伝統の中で、どうして長い歴史を感じさせる文言が使われるのか。 その謎を紐解いていきたい。

以下はカーリア王家に纏わるテキストの一部

星見少女の伝承  
星見の少女は、夜空を見上げ歩いた  
ずっとずっと、星を追って旅をした  
そして満月と出会い、女王となった  
レナラの満月  
女王レナラが、その幼き日に出会い  
後に学院を魅了した、美しい月である  
満月の女王の追憶  
若き日、レナラは卓越した英雄であった  
月の魔術で学院を魅了し、その長となり  
輝石の騎士たちを率い、カーリアを王家となしたのだ
捨てられた王家の鍵    
カーリアの王女に受け継がれる、宝箱を開くもの  
暗月の指輪  
暗い満月を象った大粒の指輪  
月の王女ラニが、その伴侶に贈るはずだった  
冷たい契りの指輪  
暗月の大剣  
歴代のカーリア女王たちが  
その伴侶に贈るという月の大剣  
「伝説の武器」のひとつ  
黄金律の大剣  
そこには、最初の妻レナラから贈られた  
大剣の面影があるという  

2.原輝石

 黄金律によって運命の死が封印された。 それによりデミゴッドは不死となる。しかし、レナラは黄金律に組み込まれる前から存在しており、かつデミゴッドではない。
 では何故レナラは老いることなく在り続けるのか?

結論:レナラの不死性の秘密は原輝石に依るものではないか

・原輝石
 原輝石とは魔術師の魂であり、新しい体に移植する事で甦ることができる。 原輝石の儀式に必要な「原輝石の刃」は星見の廃墟で見つかる。 全ての魔術師が原輝石を得るわけではなく、作中で見る事ができるのはセレンの原輝石のみだ。

・レナラが原輝石を有していた根拠とは?

1.「原輝石の刃」は山稜の星見の廃墟で見つかる
 星見のタリスマンはラニの死体から拾える。 そこには星を追って満月に出会った星見の少女の物語が描かれている。 よって、この星見の少女こそが満月と出会ったレナラであると言える。
 山稜にはグレートフードが落ちており、テキストに「幼きレナラが見上げた月」とある。 

2.ジェーレンがセレンの原輝石について言及している
 セレンはカーリアの禍根と言われ、カーリアはジェーレンにセレンを討つ依頼していたようだ。
 ジェーレンはラダーン将軍の麾下に参じる前は、カーリア王家の客人であった。 そのジェーレンがセレンの原輝石について知っているのは、おそらくカーリアから教えられたのだろう。 でなければ、どうしてただの戦士であるジェーレンが原輝石について知り得るだろうか。
 また、セレンの代替となる肉体はセルブスの地下室に保管されている。 カーリアが原輝石について知っていたのは自明である。

3.学院でのセレンの立ち振る舞い
 レアルカリア学院で、セレンはレナラの居た場所に立っている。 それは自分こそが学院の長であると主張するようだ。 セレンが原輝石の儀式に成功していて、レナラが原輝石を持っていないと言えるだろうか。

 以上の事からカーリア王家には原輝石との接点が多くあり、 レナラが原輝石を有している十分な根拠があると言えるのではないか。

疑問:代わりの肉体
 レナラの肉体の代替をどうやって確保するのか? ここからは完全な予想となり明確な根拠はない。

 カーリアは永遠の都と接点が多い。 星の雫、銀の幼生、傀儡、鏡兜、夜巫女と同じ姿の結びの教会の贖罪の像、夜巫女と同じ紋章がある椅子廟のミイラ… 傀儡の技術と写し身の技術によって仮初の肉体を調達するのに事欠かないのではないかと思える。

余談
 魔術「カーリアの返報」のアイコンはver1.07あたりまでサリアの椅子廟の紋章だった。 青い渦も暗く、返報の次の項目は夜の魔術群であったのだが… ver1.08でカーリアの紋章に差し替えられてしまった(サイレント修正)

以下 原輝石に関するテキスト

セレンの原輝石
原輝石とは、魔術師の魂である  
その古い体が死した後に  
相性の良い、新しい体に移植すれば  
魔術師は再び蘇る  
原輝石を、自らの魂とするために  
古い魔術師は、この刃で心臓を切り裂く  
そしてそのまま死んでいく
ジェーレンの台詞

…塊の魔女セレン、カーリアに仇なす者よ
今度こそ、原輝石諸共砕いてやろう
忘れるな。ジェーレンは、お前の死だ

4.ラニとセレンの類似性

 カーリアの女王レナラが原輝石を有しているならば…当代の女王ラニはどうか?
 ラニとセレンの物語はよく似ている。 互いに補完し合うように意図されたものだとすれば、ラニの原輝石の輪郭が見えてくるのではないだろうか。

ラニとセレンの物語の比較

ラダーンを倒すと星の封印が解かれ、二人の運命が動き出す
仮初の肉体 人形の身体=原輝石の器
刺客 災いの影=ジェーレン
刺客の武器 運命の死の炎を纏う剣=炎のように波打つ刃のフランベルジュ
返却した物 暗月の指輪=セレンの原輝石
儀式の剣 暗月の大剣=輝石のクリス
結末 暗月=魔術師球

結論
 暗月の指輪はラニにとっての原輝石ではないか?
 指輪が原輝石でなくとも、ラニが原輝石を得ていたのだとすれば、そこから見えてくるエルデンリングの物語がある。


5.ラニが自害した理由

 原輝石の儀式とは古い肉体を捨て魂を原輝石とするものである。
ラニがこの儀式を行う為には障害がある。 それは祝福によって不死性を与えられたデミゴッドの肉体。 不死の身体を殺し、魂だけを生かし原輝石としなければ儀式は完了しない。

 陰謀の夜にラニが行った儀式とは、肉体の呪縛から逃れ魂だけを抽出する…まさに原輝石の儀式なのだ。
つまりラニにとって重要なのは、魂を取り出す事である。 副産物に過ぎない死の呪痕が神授塔に捨て置かれていた理由がここにあると考えられる。

 なぜゴッドウィンが片割れに選ばれたのか? は、ここでは深く扱わない。
本来はゴッドウィン唯一人が最初の死者となり円環を為す死の呪痕を宿す予定だったのではないか。 それは運命の死を封印した黄金律に死の循環を取り戻す大切な儀式だったのかもしれない。

 しかし、ラニは陰謀の夜にゴッドウィンと同時に死ぬ事によって2人の最初の死者となった。 ゴッドウィンは魂が死に、ラニは肉体だけが死んで魂だけの存在となる。 輝石の魔術師にとって肉体は仮初に過ぎないのだ。

兄様、兄様、正しく死んで下さいな  
死の呪痕

月の王女ラニの、棄てた肉体に刻まれた呪痕  
百足傷の欠環とも呼ばれる  
  
呪痕は、デミゴッド最初の死に刻まれ  
円環を為すはずである  
  
だが、デミゴッド最初の死者は二人あり  
呪痕は2つの欠環となった  
  
ラニは、肉体だけの最初の死者であり  
故に死王子は、魂だけの最初の死者なのだ

6.レナラの指輪

 原輝石が暗月の指輪だったのなら…レナラの原輝石もまた指輪の形をしていたのかもしれない。
 ボスとして戦う全盛期のレナラの小指には指輪がある。 しかし泥濘の眠りのレナラにはない。ただし指輪の跡までが作り込まれている。
目の前にいるレナラが古い肉体であり"心"を失った存在であるならば、その心とは原輝石であり、また失った指輪なのかもしれない。

余談1
 心を失ったレナラを守るのは黄金樹の生命の象徴である琥珀のタマゴだ。 学徒たちは黄金の声色でレナラを守っている。 ラダゴンは自らの意思でレナラの心を壊したのか?  冷酷な側面と、一方で人間味溢れるラダゴン人間性は未だ掴めていない。 (追記:2023/11/24) レナラのバリア展開時の爆発は魔力属性である為、バリアは聖属性のものではないという事が判明している。

余談2
 原輝石を得た魔術師にとって肉体は仮初に過ぎない。 探求を認められた学徒たちは輝石頭を被る。 その中身が入れ替わっていることに誰が気付けるだろうか。
優秀な学徒とは、原輝石の器なのかもしれない。

記事の元になったTwitter(画像付き)

Twitterまとめ【ELDEN RING】

概要
Twitterのまとめ
Twitter@sign_beacon #エルデンリング考察での検索結果


登場人物

ラダゴンから感じる無機質さの正体

ミケラの求めた救済とは何か?
破砕戦争でマレニアが南進した理由

モーゴットの金色の武器まとめ
モーゴット登場シーン修正の理由

半狼ブライヴの物語■ブログ記事
誘い壺と獣誘い壺からわかる影従ブライヴの物語
なぜ誘い壺と獣誘いの壺が必要だったのか

演出:卵を見つめるレナラの瞳
レナラの指輪の跡

イレーナとハイータは魂が同一?

アレキサンダーは如何にしてファルムアズラに至ったのか?

紋章から考えるゴッドウィンの立場

ストーリー

陰謀の夜を読み解きたい
フォルサクスを討伐しなければいけない理由


世界観・勢力・種族

調香と接ぎの技術
カーリア王家の謎■ブログ記事
火山館の内情
魂無き王と魂無きデミゴッド
四鐘楼は霊廟
坩堝の騎士と黄金樹の成り立ち■ブログ記事
祖霊の民と緋色の雫■ブログ記事
壺人=コンポスト(堆肥)説
相反するテキスト、星見と輝石魔術師の起源
霊廟と魂無きデミゴッド
腐敗の眷属の生体
蟻は稀人のルーンを落とすから稀人?
アステールと降る星の獣まとめ
竜特効から黄金の一族と竜の繋がりを考える
死の案内人ローゼス
死のルーンによる黒化とノクステラの黒い月


オブジェクト観察

ラダゴンの攻撃はエルデンリングを投げつけている
アイテム亡者論
椅子廟の紋章
星見の紋章
坩堝の騎士の紋章とゴッドフレイの紋章は同じ
ファルムアズラ、壁に塗り込められた獣の遺骸
岩壁に埋まった古竜はプラキドサクスと同型
ファルムアズラの色を喪った植物たち
喪失の杖とカーリアの輝剣杖が同じ柄
王朝の像、雌雄同体説
ローデイル防衛戦跡地の巨大調香瓶槍
カッコウの死骸
狭間の地の中心は湖
マヌス・セリス教会に咲く一凛だけ青い花
降る星の成獣の頭部
瞳の変化
死の根の眼とバジリスクの眼
エブレフェールの繭としろがね人
霊姿スズラン、地下では霊姿が居ない問題
ストームヴィルの死王子の遺骸、胸まである
死のルーンに潜む骸骨


検証

ラダゴンの返報検証、すべての魔術
トロルを殴った時の腹の石板の反応
白王と黒王の敵対検証、石堀を添えて
魔力攻撃エフェクトの種類
しろがね人特効を見つけたと思ったら検証方法が間違っていた話
隕鉄武器の特効
OPと霊廟の音
ファルムアズラの坩堝の騎士に味方のバフが有効
検証:睡眠とは霊体に有効
霊体や傀儡に睡眠が作用する。また狂い火に感染した敵に睡眠は無効
追加予定:誘惑の枝が遺灰に有効

運命の死がゴッドフレイ(第一形態)に無効
火の巨人第一形態にも無効なので、システムの問題


反証

ラダーンしろがね人説の反証
絵画のタイトル間違い


その他

ゴドリックの接ぎとは?
指痕のブドウとは瞳の爛れ刻印ではないか?
OPで夜に復活した褪せ人の違和感
DLCトレーラーの反応まとめ
聖別雪原の赤狼による雑魚狼へのバフ
NOメリナ探求の歴史
モーゴット、ムービー修正前、修正後
頭のない霊廟兵、ラッパを吹く
大ルーンパズル
ガーゴイルベストショット
氷は腐敗を抑制する?
魔力属性武器のエフェクト色の違い
アルター高原、小黄金樹の下の死の霧を使う忌み子と市民
内なる律とはラダゴンである
壺の中の瞳の光
エルデンリングに隠された楔
鉄壁ミュラー
ゴストーク遠足inリエーニエ
サリアの街は風の谷
没防具:勇士


動画ネタ

メリナを燃やす
王を待つ断崖から見た太陽の運行
降る星の成獣のビーム
霊クラゲリスポーン
マリカの槌の明滅
猛禽の霧のススメ
コケる坩堝
ノクスの槌 特殊モーション
猟犬騎士レアルカリア南門
忌み双子とカボチャ狂兵
ver1.07アプデ情報
浄化バグ(修正済み)
初見攻略の思い出:幻影ゴッドフレイ
初見攻略の思い出:スリーシスターズからベイルム街道へジャンプ
黄金樹に不法侵入を試みるトープス
グランサクス探検


小ネタ系をまとめてるスレッド
小ネタ


リツイート

RT:公式 坩堝の騎士
RT:公式 ルーサット
RT:神の遺剣、聖律エフェクトver1.00
RT:円卓に囚われたとは?
RT:闘技場廃止
RT:燻り教会の遺骸
RT:半月の瞳
RT:亀の首肉Ver1.00
動画紹介:モーゴットとモーグウィンの父親がゴッドウィン説
動画紹介:ver1.00
記事紹介:祖霊の王
RT:変わる空模様
RT:DLC発表に伴う妄想

祖霊の民と緋色の雫

概要
祖霊の民はプレイヤーを倒した時、緋色の聖杯瓶回復エフェクトが発生する。
・なぜ祖霊の民は緋色の雫を得るのか?
・緋色の雫とは黄金樹からの恵みではないのか?

結論
緋色の雫とは生命の力であり、黄金樹を起源とするものではない。
聖杯瓶が緋色の雫で満たされるのは、黄金樹の生命を吸収するという特性によるものである。


祖霊の民
祖霊の民は黄金樹から距離を置く種族である。
金属の文明を嫌い、ウルド王朝とシーフラ河周辺に居を構えている。
死や生から芽吹く命という独自の死生観を持っており黄金樹と異なる文化体形だ。

「祭司の毛皮」

黄金樹から距離を置く、祖霊の民は
新たなる芽吹きを待ち続けている
自らの身体に。そして魂に

「祖霊の民の遺灰」

文明と金属を否定する、角の民の霊体
大柄で、独自の霊術に通じており
特にこの霊体は、剛弓の使い手である

「祖霊の王の追憶」

祖霊とは、黄金樹の外にある神秘である
死から芽吹く命、生から芽吹く命
そうした、生命のあり様である


命を吸う黄金樹
黄金樹は生命を取り込む。地下墓地の根に群がる死体からもわかるだろう。
聖杯瓶は黄金樹の恵みを象徴するものだが、瓶は祝福によって満たされるだけでなく敵を倒すことによっても得られる。


結論
緋色の雫とは生命の力である。
それは祖霊の民には芽吹きとなり、黄金樹の民には恵みとなる。
生と死の在り方の違いから祖霊の民は黄金樹から距離を置くのだろう。
黄金律が死を取り除いたことで生まれなくなった新たな芽吹きを祖霊の民は待ち続けているのだ。


論理の飛躍
祖霊の民の生命の円環は生と死を繰り返し芽吹きに至るというものだ。芽吹きは角のような形をとる。
黄金樹で角は忌み子の象徴である。
命を取り込み続けるという黄金樹の命のサイクルが"角"として忌み子に健在化したのかもしれない。

蛇足
エルデンリングアートワークスVol1 P284~289
地下世界の光景は腐海の底にも見える。
または"もののけ"の森か…
祖霊の王がシシガミ様だとすれば、霊体の祖霊がコダマに見えてくる不思議である。


合わせて読みたい
坩堝と黄金樹の成り立ち

Twitter 緋色の雫を取り込む祖霊の民の画像など

坩堝と黄金樹の成り立ち

結論
 坩堝とは生命を混ぜ合わせた状態であり、黄金樹はこの原初の生命から様々な生き物を生み出した。 坩堝はやがて琥珀となり、琥珀は生命の残滓と呼ばれる。


坩堝の騎士
 黄金樹の坩堝を理解する為に、坩堝の騎士について考える。

 坩堝の騎士に対してヘッドショットは効かない。その力は坩堝瘤のタリスマンに由来する。
 また坩堝の祈祷を使用する際、坩堝の騎士は紋章が発生しない。 竜が炎を吐くのと同様で、坩堝の肉体に備わった機能である事を示す。
 攻撃を与えた時のヒットエフェクトは特殊で、ルーンの欠片のようなものが飛び散る。 同様のエフェクトはラダゴンである。(エルデの獣の体液は白い)ラダゴンの身体は空洞であり、体内には黒いモヤと琥珀が見てとれる。
セレン曰く、琥珀は古い生命の残滓である。

 以上を踏まえると、坩堝の騎士には琥珀(生命の残滓)が宿っている。 琥珀とは生命そのものと言い換えても良い。 坩堝の騎士とは、鎧に閉じ込められた原初の生命だと言えるだろう。 坩堝に長く振れた事によってか、坩堝の鎧は葉脈のように波打っている。

 この考察に基づけば、坩堝の騎士に白い影(人と亜人に有効)が効かない事や、命奪拳が有効なことも頷ける。


黄金樹の原初の生命
 坩堝は原初の生命と言われるが、黄金樹がなかった時代 たしかに他の生命は存在した。
黄金樹はそれらの生命を吸収し、混ぜ合わせたのではないだろうか。

 黄金樹なき時代*1にエルデの流星が飛来した。 黄金樹の敵は全てだった。数知れぬ勝利によって それは律となったのだ。*2

 狭間の地の動物たちには坩堝の諸相が見てとれる。 それは生命が混じりあっている事の証明でもある。 大タコは繁殖に人血(黄金)を求め、ホヤを倒せば人にしか宿らない祝福を落とす。 地下墓地を訪れれば大樹根が死体を飲み込んでいる様が見れるだろう。

 黄金樹の原初の生命とは、黄金樹勢力が滅ぼした狭間の地 全土の命だったのではないだろうか。
 黄金樹は取り込んだ生命を混ぜ合わせ、その内部を坩堝と化し、再び生命を生み出したのだと考察する。 それこそが、坩堝が原初の生命と言われる所以である。

ヘッドショット判定の動画
各種フレーバーなどはTwitterを参照

*1:竜のタワーシールド

*2:黄金樹の護り

半狼ブライヴの物語

概要

 ブライヴは二本指に遣わされた影従。 その為ラニ達、特にイジーはブライヴを警戒していた。 しかし物語が進むにつれブライヴが真にラニの従者であったことが明らかになる。  


ブライヴが信用されていない描写

1,ダリウィルの捜索
 ブライヴは霧の森でダリウィルを探していた。ダリウィルの情報はイジーから聞かされたのものだろう。 しかしダリウィルは主なき猟犬の封牢に囚われている。その封牢はイジーが管理しており、後にブライヴ本人が捕らえられる場所だ。 褪せ人が封牢のことを知らせなければ、ブライヴはダリウィルの捜索に無為な時間を過ごす事になる。

 余談だが猟犬騎士は仕えた主を決して裏切らないという。 しかしブライヴはダリウィルを裏切り者と語った。「お前ほどの男が…」と言葉を濁す場面もある。 後にブライヴは封牢に捕まり「イジ爺に嵌められた」と言う。一連の出来事がイジーの謀であったであろう事がわかる。

2,ラニの従者紹介
 ラニと初遭遇のとき従者を紹介される。通常であればイジー、ブライヴ、セルブスの三人だが、特定の手順を踏むとブライヴが省かれる。 手順とはラニと会う前にラダーンを倒す事。これにより慟哭砂丘でブライヴが健在ながらも、ラニはブライヴを従者として紹介しない。 これはノクローンへの道、指殺しの刃を手に入れる算段が付いた時点でブライヴへ情報を与えないための処置と推測できる。 二本指から遣わされた影従であるブライヴは、いつ裏切るとも知れぬ存在なのだ。
参照動画(Twitter)

イジーの台詞

ラニ様が神人として、二本指の傀儡たるを拒んだとき  
影は狂い、ラニ様にとって恐ろしい呪いとなるのです  
それは運命。ブライヴの意思など、何の意味も持たないでしょう  

3,大いなる意思による干渉
 イジーはブライヴのみならず、自らの裏切りをすら恐れていた。 セルブスも例外ではない。 指殺しの刃を手に入れるとピディが殺害され、セルブスの遺骸が傀儡のような姿で発見される。

イジーの鏡兜 
    
イジーは恐怖していたのだ  
自らの裏切りを  

ブライヴが真にラニの従者となった瞬間

王家のグレートソード

カーリア王家の意匠が施されたグレートソード  
半狼のブライヴの得物   
  
生れ落ちた運命に背き  
ブライヴが、ラニだけに仕えると誓ったとき  
この剣は誓いの証となり、冷たい魔力を帯びた  
 
専用戦技「狼の襲撃」  
  
剣身に冷気を纏い、回転しながら前方に跳躍し  
その勢いのまま、大剣を地に突き立てる戦技    
それを引き抜く時、冷気の爆発を伴う  

 ブライヴが「ラニだけに仕えると誓った時」とは、ラニの魔術師塔で敵対する時である。 なぜなら冷たい魔力を帯びた「狼の襲撃」を使用するのは最終戦のみだからだ。
 影従は不死であり最終戦以外で敵対しても即時復活する。 不死の力を失うという事は大いなる意思からの解放を意味しており、ブライヴがラニの真の従者となった証と言える。

 赤目となったブライヴは"獣返り"をしている。 根拠は赤目の時だけ獣誘いの壺が有効である事。 通常状態では一切の誘い壺が効かない。
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ver1.00でも同様の現象を確認

 他に人型で獣誘いの壺が効くのはファルム・アズラの獣人。 アズラの獣人は爪痕の聖印を持っており、聖印の爪痕はグラングの怒り。 そして祈祷「獣爪」もグラングの怒りであり、そこに”獣返り”のテキストがある。
獣人は贈られた知性を失い、獣へと返りつつあるのだろう。

 影従の不死性を失い贈られた知性も失って獣となった姿こそ、ラニの真の従者となったブライヴの姿だと言える。

獣誘いの壺

儀式壺を使った製作アイテムのひとつ  
暗部の祈祷が施されている  
  
FPを消費して投げつけ、赤い影を生じる  
  
影は、獣だけを引き寄せ、攻撃を誘う  
その効果は、戦闘状態であるか否かを問わない
爪痕の聖印

獣の司祭、グラングが授ける聖印  
筋力でも祈祷を補正する、珍しいもの  
  
その爪痕はグラングの怒りであり  
彼の授ける、獣の祈祷を強化する
獣爪

獣の司祭グラングが授ける祈祷  
  
獣爪を生じ、衝撃で大地を引き裂く  
タメ使用で強化される  
  
それは、獣返りしたグラングの  
怒りであり、焦燥であろう
チンクエディア

ファルム・アズラにおいて  
高位の司祭に与えられる短剣  
獣の祈祷の威力を高める  
  
かつて獣たちに贈られた知性  
その象徴たる、五指が象られている

ジーの懺悔

 イジーにブライヴの最後を告げるた時の台詞。 それはイジーがブライヴを信じ切れず、策略を企てていたという告白にも見える。

…呪いとなり狂ってなお、ラニ様のために尽くすとは  
軍師イジーともあろうものが、見誤っていたということか…  
…私ももうすぐ、そちらへ行く  
そこで詫びさせてくれ、ブライヴよ…  

ラニのブライヴに対する思い

 従者紹介でブライヴを省くラニだが、指殺しの刃を持って行った時にブライヴの名を口にする。 この時点でブライヴは封牢に閉じ込められており、先の様子からラニもそれを了解しているはずである。

 では何故、ブライヴの名を呟いたのか?
 その理由はラニが肉体を捨てた時まで遡る。 かつてラニが二本指を拒んだ時、イジーとブライヴはラニの味方であった。 監視役として遣わされた影従ブライヴは、二本指にとってみれば出来損ないだったとラニは述懐する。
 指殺しの刃を手に入れた時、ラニの反逆は確かなものとなった。 かつてのようにブライヴは変わらずラニに仕えてくれるのではないか。 ブライヴの名を口にしたのは、そんな未練からだったのかもしれない。


余談 ブライヴと災いの影

(追記:2023/11/19)
 ブライヴとまったく同じ姿をした災いの影だが、筆者は同一存在ではないと考えていた。
 理由を簡単に述べると、ラニの台詞でブライヴと災いの影を同一視しているように見えない事。 ブライヴの最後を知ったイジーの贖罪の言葉。黒狼の仮面にあるブライヴの姿を装った存在の示唆などが挙げられる。 これらを鑑みると、二本指にとって出来損ないのブライヴは災いの影に成り得ないと結論付けていた。
 しかし考察談義をする中で指摘を貰い、ブライヴ=災いの影であった時も物語が成り立つという知見を得る。 尚且つエルデンリング世界の霊体と肉体の不可解な描写に新たな視点が得られたので、余談として追記しようと思う。

・ブライヴ=災いの影
根拠の提示
・姿が同じ王家のグレートソードを所持している。
・フラグの関係で災いの影(霊体)を倒さなければブライヴ(肉体)を倒せない。
ラニの台詞の”災いの影=呪い”
・イジーの台詞”二本指の傀儡たるを拒んだ時、影は呪いとなる”
・イジーの台詞”呪いとなり狂ってなお、ラニ様のために尽くすとは…”

 以上の理由からブライヴは災いの影となってラニを襲ったと解釈できる。

 では最後に戦ったブライヴとは何だったのか?
 赤目のブライヴは「狂ってなお、ラニ様の為に尽くした」存在。 つまり肉体と霊体が別々な意思を持って行動していたのではないか。 そんな不可解な事が本当にあるだろうか?  エルデンリングの世界においては肉体と霊体は必ずしもイコールではないという事例が複数存在するのだ。

・肉体と霊体がチグハグな例
・円卓のヴァイクと狂い火のヴァイク
 円卓のヴァイクは封牢に閉じ込められているにもかかわらず、通常の肉体。 これは特殊な例で 通常封牢のボスは青みがかった姿をしている。 狂い火のヴァイクと違い雷を操り狂い火を使用しない。 どちらが本当のヴァイクなのか、ヴァイクの時系列はどういったものなのかなど議論に決着はついていない。

・糞喰い
 糞喰いはそもそも肉体と霊体の記憶を共有していない。 肉体が閉じ込められていても円卓に霊体が訪れたり、 円卓で会話をしていても肉体とは初対面であったりする。

・ミリセント
 エオニアの沼で侵入してくるミリセントは右手がある。 針によって意識を取り戻すと「悪夢を見ることもなくなった」と言う。 この描写は本人の意思と関係なく、霊体が独立して動いていたことを示す。

 以上の3つの事例から、肉体と霊体は必ずしも情報を共有せずに独立して動く事が示唆されている。 ならばイジーの言った「呪いと”なり”狂ってなお、ラニ様に尽くす」とは、 霊体は二本指の呪いとなり災いの影になってしまったが、肉体はラニに尽くしたという事ではないか。余談だが災いの影に獣誘いの壺は効かない。これは災いの影が知性を失ったブライヴではない事を示している。
 ブライヴは寒さに弱かった。ラニの真の従者となったのは肉体を持った狼ブライヴであったのだろう。


・余談の余談
 ブライヴ(肉体)=災いの影(霊体)
 円卓のヴァイク(肉体)=狂い火のヴァイク(霊体)
 この2つの共通点はどちらも 大いなる意思or外なる神 といった外部の強い力によって引き起こされたという事。 糞喰いもまた忌み子の魂を持って生まれた人間という意味では、その生まれから肉体と魂が引き裂かれている事がわかる。 ミケラ(肉体)とトリーナ(霊体)、マリカとラダゴンなども似たような関係なのかもしれない。
 肉体と霊体の関係については更なる考察が必要だろう。


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