インタビューまとめ

概要
インタビュー記事から主に世界観についての記述を抜粋
マーティン氏と宮崎氏による合作部分に注目


『エルデンリング』開発に協力した『ゲーム・オブ・スローンズ』原作者、プレイしていないと告白。ハマりすぎる性格のため

フロム・ソフトウェアからは「5000年前に起こったことが、世界を完全に破壊し、現在が本当に破壊されてしまうことを書いてほしい」と頼まれたそうです。そこで全ての登場人物がどんなキャラクターで、誰と殺し合いをしていて、どんな力を持っているかを「歴史」として書いたとのことです。
マーティン氏の発言元動画該当箇所は6分~8分


2022-01-28
George R.R. Martin May Be Shocked To See What His Elden Ring Characters Have Become

“When Martin wrote these characters, and when he provided that origin story that mythos for the world of Elden Ring, these demigods were much closer to their original form, and maybe closer to human form back then, before the Shattering, before it all started. So it was more up to us to interpret this and say, ‘how did they become such inhuman monsters? And how did the mad taint of the shattered shards of the Elden Ring and its power affect them?’ So that was our job to take these grand heroes and sort of misshape them and distort them into something they were not,”

翻訳

「マーティンがこれらのキャラクターを書いたとき、そして彼がエルデンリングの世界の神話であるという起源の物語を提供したとき、これらの半神は元の形にはるかに近く、おそらく、粉砕の前、すべてが始まる前の当時の人間の形に近かった。 . したがって、これを解釈して、「どうやって彼らはこんなに非人道的な怪物になったのか?」と言うのは、私たち次第でした。そして、エルデンリングの粉々になった破片の狂気の汚染とその力は、彼らにどのような影響を与えましたか?そのため、これらの壮大なヒーローを取り上げて、形を崩し、そうではないものに歪ませることが私たちの仕事でした」


2021-06-14
ついにその真相が明かされる『ELDEN RING』――宮崎英高ロングインタビュー

「今作に登場する大ボスはどれもマーティンさんが書いてくれた神話の登場人物なんですよ。半神(デミゴッド)と呼ばれる古い英雄たちで、彼らは砕けたエルデンリングの欠片を通して歪んだ力を得て狂った、というのが今回のボスたちです。どのボスもなんらかの形で英雄的だったり、神話的だったりする部分を持たせています。単なる化け物ではなくて、かつては英雄であり、神だったという設定を非常に重視して作っていますね。もちろん、あくまでフロム・ソフトウェア的な意味での英雄や半神なので、にわかには信じてもらえないのかもしれないんですけど、そういうテーマでやっています(笑)」


2021-06-14
『エルデンリング』国内独占インタビュー。フロム・ソフトウェア最大規模となる新しいダークファンタジーをディレクター宮崎英高氏が語る【E3 2021】

「我々が作るゲーム本編のはるか昔、その前提、土台となるような神話を書いていただけませんか」という話になった


――主人公の“褪せ人”とはどのような存在なのでしょうか?

宮崎 この世界には“狭間の地”と呼ばれる、黄金樹に祝福された土地があります。その地は、マーティン氏の神話の舞台であり、“デミゴッド”と呼ばれる一族、神たる女王マリカの血を受け、とくに強い祝福を受けた英雄たちが治めています。そして、その“狭間の地”にあるとき、祝福を失くす人々が現れます。

祝福を受けた者は、すべてその瞳に黄金の光を宿しているのですが、その光を瞳から失ってしまった人々です。彼らは、瞳にあるはずの黄金の光が褪せてしまった人々ということで“褪せ人”と呼ばれ、“狭間の地”を追放されてしまいます。本作の主人公となる“褪せ人”は、そうして“狭間の地”を追放された人々の子孫なのです。

そしていま、黄金樹の祝福の根源たるエルデンリングが砕けたとき、“狭間の地”の外にある“褪せ人”のもとに、かつて失くした祝福が、ふたたびもたらされるわけです。“狭間の地”、エルデンリングへと誘い、その王になれと囁く“導き”として。


――マーティン氏の参加がなければ生まれなかった世界観もあるのでしょうか?

宮崎 はい。それは間違いないと思いますね。マーティン氏が書いてくれた神話は、とても魅力的なものでした。神秘的で厚みがあり、キャラクターのドラマは、複雑な血縁と関係性の上に成り立っていました。それは神話であると同時に歴史、あるいは叙事詩でもあり、我々に、いままでにない新しい刺激をたくさんくれるものでした。


2022-01-27
『エルデンリング』宮崎英高氏ミニインタビュー。キーワードでもある“自由度”は、攻略、物語進行、戦術、キャラクタービルドの自由度


2022-02-25
『エルデンリング』宮崎英高ディレクターインタビュー。脅威と未知に満ちた世界、自由な冒険と手に汗握る戦闘、勝利への達成感……本作に込めた思いを語る

――マーティン氏に神話の執筆をオファーする際に、“リング”を巡る物語であるとか“黄金樹”といったキーワードなど、何かしらの具体的なコンセプトを説明されたのでしょうか?

宮崎 はい。当初は“リング”とは呼ばれていませんでしたが、エルデンリング的な存在と、それが砕けるという契機のイメージは、お話ししたかと思います。


宮崎 狭間の地の人々は、黄金樹に祝福され、その瞳に黄金の光を宿しています。けれど、やがてその光を失う人々が現われ始めます。彼らは“褪せ人”と呼ばれ、狭間の地を追われるわけですが、その子孫が主人公であり、ほかの褪せ人たちであり、といったことになります。

そしてエルデンリングが砕けた後、狭間の地を追われた褪せ人たち、死にきれずにいた者たちに、祝福の導きが訪れます。狭間の地に戻り、エルデンリングに見え、エルデの王になれと。それが本作の始まりです。


宮崎 デミゴッドに共通するデザインコンセプトは、英雄的であることですね。

もちろんそれは、我々が広義で解釈する“英雄的”ということですし、かつて英雄であった者たちが、敗れ、堕落し、歪み、変質し、異形になり果てた、といったところまでを含んだものですが。


ファミ通
E3 2019 6月10日
E3 2021 6月14日
2022年1月27日
2022年2月25日
IGN Japan
2019年6月13日
2019年6月14日
2019年6月21日 2021年6月14日
2022年2月9日
PlayStation.Blog
2022年1月29日
Game Informer
2022年1月28日


2022年10月28日
2024年2月22日 DLC情報解禁
2024年2月22日 DLC情報解禁
2024年2月23日

エルデンリング 各用語の解釈

・概要
ここではエルデンリングに登場する造語について筆者の解釈をまとめる。


・エルデンリングと律とエルデの獣

『Elden Ring』はこの世界を定義する神秘的な要素、ルール、リズムですね。

宮崎氏のインタビューでは以上のように語られている。

エルデンリング
 エルデンリングとは世界を定義する法則を示す。 ただし、その内容は内包される律(Order)によって変化する。


 律とは法則(エルデンリング)に指向性を持たせる要素の事である。 勢力によって異なる律を信奉し、現行の黄金律を打倒しようとしている。 黄金律の他には腐敗の律や冷たい夜の律がある。 また黄金律のまま改変が行われる場合もあり、その際は修復ルーンが必要となる。

エルデの獣
 大いなる意志によって狭間の地に送られた一匹の獣。 律の具現とされ、のちにエルデンリングになったという。 しかし、エルデの獣とエルデンリングは同一ではない。
エルデの獣を殺害してもエルデンリングは消えない。 一方でエルデンリングが砕かれた時に負ったであろう傷が、エルデの獣の腹部にも存在する。
 これを先に述べた律とエルデンリングの関係に照らし合わせるならば、エルデの獣はエルデンリングに内包された律が姿を現したものであると言える。
エルデンリングが砕けると内包された律もまた傷つくが、律の具現が倒されたからといって世界の法則という枠組み(エルデンリング)そのものが壊れるわけではない。


・外なる神と大いなる意思

異なる2つの解釈がある。

1.大いなる意思は現状で狭間の地を支配している外なる神の一柱 説
 大いなる意思を唯一絶対の存在としない解釈。
 外なる神には腐敗の湖に封印されたモノや 狂い火がある。 その他にも神と名の付くものは、エルデンリングの幻視の器となったマリカ、火の巨人に封じられた悪神、 エルデの獣も討伐時「GOD SLAIN」と表記される。  いまエルデンリングを動かす律を司る神が「大いなる意志」と呼ばれる説。

2.大いなる意思は外なる神の上位存在である
 大いなる意思を唯一絶対の存在とした解釈。
 大いなる意思が外なる神達を遣わせ、更に外なる神たちは眷属を使って狭間の地で勢力争いをしているという説。
 この説は全てが大いなる意思によって左右されてしまう為、個人的に好きではない。 宮崎氏にしろマーティン氏にしろ、大きな運命に逆らう意思を描くことはあるが、この場合は逆らえる要素があまりにもない。


・神人とデミゴッド

デミゴット
 デミゴッドとはマリカの子である。 ラダゴンとレナラの子は外戚としてデミゴッドとなったとされるが、ラダゴン=マリカであるので外戚とは方便である。

神人
 神人とは律の幻視を宿す器である。
 ゴーリー曰く「古い時代が終わった時、神となり新しい律を掲げるべく生れ落ちる存在」
 神人は宵眼の女王、ラニ、マレニア、ミケラであり、名言はないがマリカも神人であったと考えられる。
神人は二本指によって見出されているが、二本指が神人の素質を与えているわけではない。
ミケラとマレニアは神人の素質を「ただ一人の神から生まれたが故」としている。つまり神人とは肉体の素質に依存したものである。
一方で律は肉体に依存しない。肉体を捨てたラニが冷たい夜の律を掲げている。

ーーー

褪せ人

 褪せ人とはゴッドフレイと共に祝福を奪われた戦士たちの末裔である。
 狂い火に感染するという褪せ人のみの特徴を有する(例外あり)

「火の簒奪」と「契りの儀式」とは何だったのか?

  • 概要
    ロンドールの目論みである火の簒奪の意味と、それに必要な伴侶アンリについての考察

  • 結論
    アンリとはグウィネヴィアの子孫にあたり、グウィン王家の血を受け継ぐものであると考察する。
    契りの儀式の意味とは、火の時代から人の時代へと火を移譲するための、グウィン王家との婚姻を意味するのではないか。


  • グウィン王家の末裔たち
    アンリがグウィネヴィアの子孫である可能性を探っていく。DS3にはグウィネヴィアの子孫と目される人物が複数登場する。
    1. 踊り子
    2. ロザリア
    3. ロスリック王妃
    4. ゲルトルード

アンリとグウィネヴィアを繋ぐ根拠

グウィネヴィアは火の神フランの妻となり、貴い子たちをもうけた…とある。このテキストは太陽の王女の指輪にあり、無印とは違いリジェネ効果がある。リジェネ効果のあるアイテムは数あれど「貴い」と「リジェネ」という二つを備えたものはアンリの直剣だけである。
本当に貴い者の剣はアンリの直剣と名を変えて受け継がれた。であればアンリは貴い者の子孫であり、グウィネヴィアの子孫と言える。

更に、契りの儀式を行う際、アンリの顔にかけられた布は、グウィネヴィアの寝室にあった布と酷似している。儀式が「婚姻」であること、場所が大王グウィンの墓所であることも、婚姻に関わるものがグウィン王家に所縁があることを暗示している。

以上、グウィネヴィアの子孫たち、貴い子たち、本当に貴い者、大王墓所での婚姻、顔にかけられた布など複数の情報が出揃った。これらの状況証拠によりアンリはグウィネヴィアに連なる、グウィン王家の血を引くものと考察する。

余談だが、アンリはホレイスを殺害されると心が折れ崩れ落ちてしまう。リカールやオスカーと同じく上級騎士の鎧を装備したアンリは、育ちの良いお坊ちゃんとして描かれている。王家の血筋として丁重に育てられたなどの妄想が捗る。


火の簒奪の意味

ではなぜ火の簒奪にグウィン王家との婚姻が必要だったか?
カアスのセリフを抜粋

貴公こそ、真に人の王、闇の王よ
さあ、進むがよい。消えかけのグウィンを殺すのだ
我カアスは、ここで待っているぞ
戻った貴公に仕え、闇の時代をはじめるために…

グウィンを殺害してそのまま火の炉を出ると、闇の王として迎えられる。この時「闇の時代」はまだ始まっていない。DS2やDS3も闇の時代ではない。
これは単純に、はじまりの火をほかの誰かが継いでしまっているからだと思われる。 グウィンを殺したところで「火継ぎ」を止めない限り闇の時代は訪れないことがわかる。
なお、火に触れると自動的に燃え上がり火の時代は存続する。DS3で薪の再利用を図る徹底ぶり。拒否権はない。火継ぎのシステムは強固に維持されている。

簒奪とは、本来資格のないものが君主の地位を奪うことである。君主とはグウィン王家、地位とは火継ぎ、資格のない者とは人間となる。

火継ぎの資格を得るためには王家の血を引くアンリとの婚姻が必須であったと推測する。儀式に契りの剣が使われ、そのシンボルは輪の都に多く存在する。もしかしたら火の簒奪は古い習わしに乗っ取っているのかもしれない。

以上が個人的な火の簒奪者Endの解釈となる。

婚姻によって増える呪いの穴については、よくわからないですごめんなさい。

なお、篝火から火を継がずに火防女から「奪う」というやり方であれば、呪いの穴も契りの儀式もまったく必要なかったという事実を知ったらロンドールは涙目である。


以下は考察の元となったテキスト

太陽の王女の指輪(DS1)
太陽の光の王女グウィネヴィアは
多くの神と共にアノール・ロンドを去り
後に火の神フランの妻となった
太陽の王女の指輪(DS3)
多くの神と共に故郷を去った彼女は
やがて妻となり、母となった
そして貴い子たちをもうけたという
邪眼の指輪(DS1)
かつてアストラを襲ったという魔物
邪眼の悪霊を封じ込めた指輪
邪眼の指輪(DS3)
かつてアストラを襲ったという魔物
邪眼の悪霊を封じ込めた指輪
  
恐るべき悪霊はアストラを崩壊寸前まで追い込み
しかし「本当に貴い者の剣」の前に敗れ去ったという
火の無い灰の一人、アストラのアンリの愛剣
亡国アストラにあって、最も鈍らとされたもの
  
だがそれは「本当に貴い者の剣」であり
人の本質的な力、運により攻撃力が高まる

目次

ARMORED CORE VI

ハンドラー・ウォルターとは何者か? 第1助手説と息子説の比較

Twitterまとめ【AC6】

ELDENRING

エルデンリングの各用語の解釈
・エルデンリングと律
・外なる神と大いなる意思
・神人とデミゴッド

陰謀の夜を読み解きたい
カーリア王家と原輝石
ブライヴの物語
祖霊の民と緋色の雫
坩堝と黄金樹の成り立ち
インタビューまとめ

Twitterまとめ【ELDEN RING】


DARKSOULS


仏教で読み解く はじまりの火と王のソウル
「火の簒奪」と「契りの儀式」とは何だったのか?
フレーバーテキストの"嘘"
【糞考察】エルドリッチは女の子説
ジークの酒とは何か

ベルカと各勢力の繋がり:ロンドール編
ベルカと各勢力の繋がり:深みの聖堂と小ロンド
ベルカと各勢力の繋がり:アルスター編

Twitterまとめ【DARK SOULS】


その他
批評


質問箱

【糞考察】エルドリッチは女の子説

エルドリッチは女の子

これはエルドリッチが女の子であると信じて疑わない亡者の妄言である。

目次

根拠1
繰り返される物語
DS1~DS3まで繰り返されてきた物語の"お約束"
薪の王の紅一点は誰か?

根拠2
人食いと呼ばれた者たち
シリーズに登場した人食いは皆が女性であった

根拠3
エルドリッチと火守女
エルドリッチと火防女との共通点とは?

結論
エルドリッチは女の子

余談
深みの聖堂に奉られた彫像の正体について


DS3で主人公は「最古の火継ぎの再現」をする。"最古"とは何を示すのかはここでは扱わない。

火継ぎとは
火の時代の存続のために行われる儀式である。DS1で主人公が行った火継ぎは「4つのソウルを集め火の炉の扉を開き、かつて火を継いだ王を殺し、再び火を興す」というものだった。

DS1の4つのソウル
- ニトの王のソウル
- イザリスの王のソウル
- シースの分け与えられた王のソウル
- 四人の公王の分け与えられた王のソウル

DS2の4つのソウル
- 腐れのソウル(古き死者のソウル)
- 忘れられた罪人のソウル(古き魔女のソウル)
- 公のフレイディアのソウル(古き白竜のソウル)
- 鉄の古王のソウル(古き王のソウル)

DS3の4つの王の薪
- 巨人ヨーム
- 神喰らいエルドリッチ
- 追放者ルドレス
- 深淵の監視者
※王子ロスリックは、薪の資格者であり過去作の主人公の立ち位置であるとする。

例外はあるものの、4つの何かを集めるのは約束事となっている。DS2はDS1を踏襲していて分かりやすい。また、4という数の他にも類似している部分がある。

それは紅一点の存在

忘れられた罪人はherと表記されており女性であることがわかる。2週目に手に入るソウルも"魔女"のソウル。これはDS1のイザリスの"魔女"に該当する。

ではDS3での紅一点は誰か…
巨人は性別を描かれていない。
深淵の監視者たちは、ホークウッドを見るに男性の集団である。
ロスリックは王子。
ルドレスは男性であろう。
消去法でエルドリッチが紅一点だと言える。

エルドリッチはOPで「深みの聖者」と呼ばれている。その他には「人喰らい」「神喰らい」などと称号も多い。蕩けた汚泥となる前の性別は言及されていない…


ダークソウルには「人食い」と呼ばれる者たちがいる。人食いは、いずれも女性として描かれている。
- 人食いミルドレッド
- ずた袋をかぶった最下層に住む不死の人食い女
- 狂女イザベラ

またホレイスに代表される「エルドリッチの子供たち」という文言も女性性を想起させる。


火防女と聖者エルドリッチの共通点とは?

火守女の魂は人間性の憑代であり、皮膚の下に無数の人間性が蠢いている。これはイリーナも同様であり常に小さな虫に苛まれている。生贄の道にいる犬のハラワタには無数の蛆虫が詰め込まれている。傍らにはモーンの指輪と点字聖典があり、聖女と騎士が無残な死を遂げたことを物語っている。
このように火守女はその魂と体を蝕む虫(蛆)に苛まれているのだ。
そしてエルドリッチの頭蓋は蛆に蝕まれ、その骨は半ば失われている。

エルドリッチは人食いにより薪の王となった。であれば無数の人間性を取り込んだ事と同義である。大量のソウルと人間性を得て薪の王になったのである。エルドリッチは火防女に準じた存在であり、蛆に苛まれる頭蓋はその証左であると言える。

またエルドリッチの幽閉された深みの聖堂は聖女の巡礼の目的地であると推測できる。その根拠は、ストーリーを進行させると聖堂で聖女たちの遺品が途切れることにある。
- イリーナとイーゴン、聖女のタリスマン(不死街)
- カリムの点字聖典とモーンの指輪(生贄の道)
- 聖女装備一式(深みの聖堂)

聖女イリーナと騎士イーゴンの物語は、女神クァトと騎士モーンの物語をなぞらえていると思われる。これはクァトがDS3で初めて"女"神であるとされ、従者モーンの存在が明らかにされたからである。巡礼とは神話のなぞりであり深みの聖堂は火守女に纏わる神話がある土地だと考えるのが妥当だろう。


  • 集める薪の王には慣例に従って紅一点が存在する
  • 人食いは常に女性として描かれてきた
  • 蛆にまみれた頭蓋は火守女と同質の存在であることを示す

以上の3点から聖者エルドリッチは女の子であり、アノロンの廃聖堂で灰の人が見えたものは

病床にあるグウィンドリン(男の娘)を、いままさに喰らおうとしているオネショタの姿だったのだ!!


エルドリッチ女の子説は冗談で作った考察である。
数々の考察を見るうちに、深みの聖堂の彫像をベルカやクァトと断じて根拠とするものが見受けられた。ならば彫像はエルドリッチだと解釈してもイケるのではないか? この考察はそのような不純な動機によって生まれた。

初期案では、深みの聖堂の宗旨替えから考察を組み立てた。
建物の構造は、聖堂がエルドリッチの為に建設された事を示唆している。本来の正面玄関であろう二重の大扉(二股槍がある場所)、そこから中央の広間で彫像に祈りを捧げる。その先に収められているのはエルドリッチの棺である。火を継いだ聖者エルドリッチ、その棺を中心に建設された聖堂。そこにある彫像は偉人であるエルドリッチ本人のものである。それ故に打ち壊されることはなく、布をかけるに留まり、未だ深みの主教たちは彫像に祈りを捧げているのだ…という論理である。

冗談で始めた考察であったが、他の考察をしているうちにエルドリッチが女の子である根拠が揃ってきてしまった。ダクソはギャルゲーなので致し方ないところである。

ジークの酒とは何か

ジークの酒とは何か

イルシールの暖炉前でジークは以下のように語る

そうだ、貴公、共に食事はどうだ?
ジークバルト特製のエストスープが、
丁度できあがったところなんだ
不死者とて、たまには真似事もよいものだぞ
そして、再会の祝杯といこうじゃないか
貴公の勇気と、我が剣、そして我らそれぞれの使命に
太陽あれ!

近くには鍋に入った「エストスープ」が置かれている。エストスープの回復には冷気耐性UP効果は付属されていない。このことからエストスープはジークの酒ではない事がわかる。


エストとは何か

エストは不死人の体力を回復し、篝火に座ることで補給される。DS1ではエスト瓶とその中身は火防女や篝火と深く繋がっていることが語られた。エスト瓶の使用回数を増やす注ぎ火の秘儀は、DS1時代以降に失われる。

エスト瓶

火防女の魂から、その緑瓶は生まれる
彼女たちは、生きて篝火を守り
死してなお、その熱を守り続けるのだ
火防女の魂

いつかどこかにいた火防女の魂
火防女とは篝火の化身であり
捧げられた人間性の憑代である
その魂は、無数の人間性に食い荒らされ
不死の宝、エスト瓶の力を高めるという
エスト瓶の破片
かけらそのものにエストが深く染みついている
エスト瓶に力を移すことで、
瓶の使用回数を増やすことができる

DS2とDS3の時代でエストの欠片は各地に点在している。DS1では篝火でエストの使用回数が増やせるが、DS2では緑衣の巡礼、DS3ではアンドレイがエストを増やせる。エストの欠片の加工は篝火に限られたものでないことがわかる。
以上の事から、エストスープはエストやエストの欠片を元に作られていると推測できる。
一部の亡者もエストを使用する為、鍋に入っている以外は同じものだと思われる。DS1で上級騎士からエスト瓶が渡されたように、他人のエストを飲む事が可能である。

エストの欠片は火防女との関わりが強い。篝火に座った時、エスト瓶同様にエストスープも補給される。これはエストスープがその名の通りエスト瓶と深い関わりがあることを示している。
(篝火の強さがエストスープの回復量に影響を及ぼしているかどうかは未調査)

ジークの酒

ジークの酒

カタリナのジークバルト謹製の酒
樽のジョッキに満たされた旅用の品
HPを回復し、一時的に冷気耐性も高める
本来、不死人が酒を楽しめるはずもなく
ジークバルトは何らかの工夫を凝らしたのだろう
不死の時はあまりに長く、酒と謳歌が欲しいのだ

ジークの酒とエストスープとの違いは冷気耐性UP効果の有無にある。
ジークの酒の精製方法にはいくつかの説を挙げられる

  1. エストスープ+酒 説
    生者の真似事として酒を加えた説

  2. エストスープ+凍青の苔玉 説
    効果に該当する冷気耐性UPアイテム

  3. エストスープ発酵 説
    絵画が腐る等の表現から、発酵も可能であるとする説

  4. エストスープ≠ジークの酒 説
    そもそも別のアイテムであるという説

  5. エストスープ+人 説
    モブを倒すとエストを得る、混ぜることで効能が変わるかも………

ーーー

ジークの酒とは何か?

ありきたりな結論だが、ジークの酒とはエストスープ、エストと深く関わるものである。冷気耐性UP効果の部分が、ジークの酒たる所以なのだろう。

フレーバーテキストの"嘘"

フレーバーテキストはゲームの世界観を伝える重要な情報である。しかし、一部のテキストには「嘘」が含まれている。これはフレーバーテキストが複数の視点で描かれている事を示している。

騎士アルトリウスの英雄譚

ゲーム本編でアルトリウスは「深淵歩き」の騎士としてテキストでのみ登場する

  • 本編中のテキストからわかるアルトリウス
    • グウィン王の四騎士である
    • 深淵の魔物と契約し、深淵を歩いたと言われる
    • ダークレイスの狩人である
    • シフが墓守をしている事から、故人であるとわかる
狼の指輪
グウィン王の四騎士に与えられた特別な指輪
狼の指輪は「深淵歩き」アルトリウスのもの

アルトリウスは、強靭な意志により決して怯まず
大剣を振るえば、まさに無双であったという
アルトリウスの契約
アルトリウスの契約
かつて騎士アルトリウスが
深淵の魔物と契約した証の指輪

アルトリウスと同じように
装備者は深淵を歩けるようになる
大狼シフのソウル
「深淵歩き」の騎士アルトリウスに仕え
彼の墓を守ってきた灰色の大狼シフのソウル

特別な存在は特別なソウルを有する
騎士の聖剣を継いだシフのソウルは
使用により莫大なソウルを獲得するか
他にない武器を生み出せる
直剣から作るアルトリウスの大剣
「深淵歩き」の騎士アルトリウスの墓守
灰色の大狼シフのソウルから生まれた大剣

かつてアルトリウスの交わした
深淵の魔物との契約により呪われており
亡霊にダメージを与えることができる
アルトリウスの大盾
「深淵歩き」の騎士アルトリウスの墓守
灰色の大狼シフのソウルから生まれた盾

安定した防御効果に加え加護の効果もあり
持ち主にあらゆる異常に耐える力を与える
折れ直からアルトリウスの大剣
「深淵歩き」の騎士アルトリウスの墓守
灰色の大狼シフのソウルから生まれた大剣

アルトリウスはダークレイスの狩人であり
その剣もまた闇の眷属に大きな威力を発揮する

DLCで描かれる騎士アルトリウス

アルトリウスはボスとして登場するが、その姿は語られる英雄とは違う。ウーラシールで深淵に飲まれ、シフを深淵に残し、主人公に討たれるという最期を迎える。

アルヴィナとは古い付き合いだったようだ。友達は少ない

猫の制約指輪
誓約「森の狩猟者」を交わした者に与えられる指輪
白猫アルヴィナの召喚に応える

人語を喋るまるい白猫アルヴィナは
火の時代のはじまりからこの地にあり
騎士アルトリウスと大狼シフに出会った後
彼らの数少ない友になったという
素晴らしいチェスター曰く
貴様、騎士アルトリウスに会っているか?
元の時代の伝承にあった、深淵狩りの英雄さ
…まあ、会っていないのなら、それでいい
所詮つまらん話さ…
アルトリウスの兜
グウィン王の四騎士の一人
「深淵歩き」アルトリウスの兜

主の最期を示すように、深淵の闇に汚れ
誇り高い群青の房も乾かず濡れそぼっている
深淵の大剣
深淵に飲まれたグウィン王の騎士
アルトリウスのソウルから生まれた大剣

この剣は最後まで主と共にあり、故に闇に飲まれ
使用者の人間性によってその威力を増す
深淵の武器となり果てている
結界の大盾
深淵に飲まれたグウィン王の騎士
アルトリウスの用いた鋼の大盾

深く傷つき、深淵に侵されはじめた彼は
この盾を友たるシフを守る結界の糧とした
これにより盾は痛み、物理的に脆くなっているが
一方で魔法などには高い防御効果を持った
深淵に飲まれたグウィン王の騎士
アルトリウスのソウル

深淵を狩ったというアルトリウスの伝説は
しかし道半ばで終わっていた
あるいは堕ちた彼を討ち、誇りを救ったものが
実際の伝説の主、深淵を狩る者となるのだろうか

深淵の魔物とは

  1. カアス 
    • 深淵といえば世界蛇を連想する
      しかし、アルトリウスはダークレイスを狩る者である
      ダークレイスはカアスが唆した四人の公王の騎士でもある
      よって敵対するものと契約するとは考えにくい
  2. マヌス 
    • 深淵の主であるマヌスに見え、契約を果たしたという様子はない
      しかし、否定する根拠もない
  3. アルヴィナ
    • アルヴィナが深淵に関わるモノであるかは不明
      火の時代の興りから存在し、深淵で主人公を導く
      その特異性から、深淵の魔物であっても不思議はないと思える
  4. エリザベス
    • 深淵を歩いた主人公と会話をした人物
      魔物? いいえ、不思議なキノコです
  5. フラムト
    • グウィンの友であり世界蛇
      深淵とアルトリウスの両方に接点がある

アルトリウスの伝説と真実

アルトリウスの名前の由来となっているのはアーサー王である
同陣営にグウィネヴィアが居ること、 剣に纏わる複数の伝承がある事が根拠となる

ゲーム本編で主人公は「アルトリウスの英雄譚」を聞く
その後DLCで「アルトリウスの顛末」に立ち会う
作中に登場する複数の剣は彼の伝説であり、
物語が奇跡となるダークソウルの世界観をよく表したものである

アルトリウスの真実は道半ばで終わっている
深淵を歩いた英雄は別にいる
1. 主人公
2. シフ
3. アルヴィナ
4. 英雄のソウルの持ち主

深淵歩きの伝説はDS3の輪の都まで伝わっている
またDS3祭祀場は最初の火の炉に近くDS1のオマージュが散りばめられている
その鐘楼の下にある火防女の魂は「深淵から戻った」ものだという
※深淵から戻った火防女については更なる考察を要する

白木の弓
白皮の木で作られた短弓
光を操る魔術を帯びている

それは、深淵歩きの英雄譚でも知られる
深淵に飲まれた古い魔術の国の足跡である
穢れた火防女の魂
かつて深淵から戻ったという
ある火防女の魂

彼女は篝火を保ち、また一人の英雄に仕え
その暗い穴をすら癒し受け容れたという
故にその魂は穢れてしまった

そして火防女の魂は、また火防女に宿るものだ

考察

アルトリウスのフレーバーテキストは真実ではなく「伝説=嘘」を記している。伝説とは「深淵歩き」 DLCのテキストでは「深淵に飲まれた」と変わっているものが多い。これはフレーバーテキストが全て真実のみを書いているわけではない事を示している。しかしフレーバーテキストの"嘘"は、物語の彩る。

"嘘"があるならば、同様に"真実"も描かれているものだろう。

アルヴィナは語る

アルトリウスの伝承なんて、実際なんでもありゃあしない
…ただの御伽話だよ…